建築に用いる木造構造体油圧制震ダンパーの構造や効果について

  • LINEで送る

油圧制震ダンパーは、木造住宅に設置するオイルダンパーを用いた制震金物です。
地震の揺れを最大で半分に抑え、建物の安全性と快適性を高めます。
オイルダンパーが地震エネルギーを吸収することで、柱や梁などの構造部材を守ります。

建物は、繰り返し発生する地震や、大地震後の余震によっても影響を受けます。
通常の耐震住宅であれば、建築基準を満たしていれば大地震で倒壊する危険性は低いとされています。
しかし、一度大きな地震を受けた住宅は、その後の耐震性能が低下することがあります。
油圧式ダンパーは、そうした地震によるダメージを最小限に抑え、建物や家財を守ります。

このダンパーの特長は、微小な揺れから振動を吸収し始める点です。
小さな揺れでも繰り返されることで建物にはダメージが蓄積しますが、オイルダンパーは特に大地震後の余震に対して効果を発揮します。
オイルの粘性を利用して振動を吸収し、繰り返す地震から住まいを守るのです。

戸建て住宅に多く用いられている「油圧制震ダンパー」

建築に用いる木造構造体油圧制震ダンパーの構造や効果について

油圧制震ダンパーは、建物の揺れを効果的に抑える先進の制震装置で、地震などで建物が揺れると、ダンパー内のピストンが動きます。
ピストンの動きに伴い、内部のオイルが専用の孔を通過することで抵抗が生まれ、揺れのエネルギーを吸収し、これにより、建物の揺れを軽減し、安全性と快適性を向上させます。

オイルダンパーの仕組み・特徴

油圧制震ダンパーは、建物の揺れをやわらげる装置です。
中にはオイルが入った筒とピストンがあり、建物が揺れるとピストンが動きます。
オイルが筒の中の小さな穴を通って移動することで圧力が生まれ、揺れを吸収します。
穴の大きさや形、オイルの性質によって揺れの吸収の仕方が変わるため、地震の揺れを効率よく減らすことができます。
これにより、住宅が地震や揺れで受けるダメージを軽くできます。

オイルダンパーの特徴
コンパクトで設置しやすい
小さな揺れにも反応する
繰り返す揺れにも効果を発揮

オイルダンパーは小型なので、間取りや設計にほとんど影響せずに取り付けられます。
既存の住宅でも設置しやすく、リフォームの際には一部の壁を取り壊すだけで取り付けられる製品もあります。

さらに、オイルダンパーは地震だけでなく、強風などによる小さな揺れにも反応します。
余震や小規模な地震が繰り返し起きても効果を発揮し、建物に少しずつたまるダメージを防ぎます。

制震ダンパーの効果とは

建築に用いる木造構造体油圧制震ダンパーの構造や効果について

耐震性の弱点を補い、効果を長く持続させる「制震ダンパー」の中でも、戸建て住宅によく用いられるのが「オイルダンパー」です。オイルダンパーは繰り返しの揺れにも効果を発揮するのが特徴です。
制震ダンパーは、地震の揺れを吸収して建物の揺れを抑えることで、構造部へのダメージを軽減します。
建築の地震対策には大きく分けて「耐震」「制震」「免震」の3本柱がありますが、耐震には「繰り返しの揺れに弱い」という弱点があります。耐震性を高めることで建物は頑丈になりますが、その分、地震によるダメージが蓄積されやすくなるためです。
しかし、制震ダンパーを組み合わせることで、建物へのダメージの蓄積を抑え、耐震性能をより長く維持できます。つまり、耐震と制震の両方の長所を活かし、弱点を補い合うことで、より地震に強い住宅を実現できるのです。このため、近年は「耐震+制震ダンパー」の組み合わせがスタンダードになりつつあります。
戸建て住宅に設置される制震ダンパーには、素材や形状によりいくつか種類がありますが、特にオイルダンパーはコンパクトなサイズのため、既存住宅への後付けにも対応しやすい製品が多くあります。いずれの制震ダンパーも、耐震性の高い住宅と組み合わせることで相乗効果を発揮し、より地震に強い家を実現できます。
これから耐震補強やリフォームを検討される場合は、制震ダンパーの設置もあわせてご検討されると安心です。